●川瀬隆一先生(至誠堂総合病院 内科)

私は2019年に家庭医療専門医を取得し、指導医としての教育スキルを身につけると共に経営など組織運営に関わっていきたいと思っていました。リーダーシップ、家庭医療教育、組織運営などを系統的に学べるこのフェローシップは私にぴったりだと思い、参加を決意しました。

コロナの影響もあり、1年延期してからのオンライン受講であったため、参加当初は上手く学べるのかという不安がありました。しかし指導医の先生方からの毎月の進捗状況の確認や学びの情報を共有していただける機会が多くあったため、その不安は払拭されました。優秀な同期の仲間が集まっていたので、オンライン上でしたが、有機的な学習ができ、確実に成長できていることを実感できました。LTFは多彩な診療セッティングへの対応、充実したフィードバック、フェロー同期の交流など学びやすい環境が整っていると感じました。

フェローシップの課題には難しいものもありましたが、指導医やフェローとのやりとりだけでなく、現職場のスタッフを巻き込むことで楽しく、円滑に課題を進めていくことが出来ました。フェローシップは修了しましたが、最近では自施設の経営に関わることが増え、ここでの学びを活かした建設的かつ積極的な意見の提示が出来ていると実感しています。職場の質改善や医学教育にも継続して関わることが出来ています。

 

いろいろなフェローシップがあり、迷われるかもしれませんが、このフェローシップの1年で家庭医としてだけでなく、仕事をしていくうえでの成長が大きく望めると思われます。LTFには楽しく学べる場があります。是非参加してみましょう!

 

 

●児玉崇志先生(揖斐川町久瀬診療所 在宅部門)

家庭医療専門医取得後に、自身のリーダーシップに課題を感じ、学習の場を探していたところ先輩から紹介され、受講を決めました。多くの家庭医療プログラムでは、リーダーシップについて学べることはあまりないのではないでしょうか。私もそうでしたが、専門医になりたての頃は、次の自分の成長のためにどんな能力を身につけていく必要があるのか、わからなかったりすると思います。本質的に学習者の視点に立った教育の設計、多様な視点から考える質改善、自分の施設の現状を意識しながら経営戦略について学び、全く新しい分野であった経営分析を学習することが、こんなにも役に立つとは当初は考えていませんでした。また、1年間ともに学習した仲間とは、今でもオンラインで学習会をしたり、学会で情報交換をしたりと学びを継続しており、悩みを共有し合う良き仲間となっています。

私は開始後に仕事の繁忙時期と重なってしまい、1年目では修了が難しい状況になってしまいました。講師の皆様の温かいご配慮により、最終発表を1年遅れとさせていただきましたが、無事に修了を迎えることができました。

安心して、まずは飛び込んでみてください。素晴らしい講師の先生方とあたらしい世界を一緖に見つける仲間に出会えると思います。

 

 

●西信俊宏先生(医療法人社団慈風会在宅診療敬二郎クリニック院長)

私は現在、香川県で在宅専門クリニックに勤務する卒後11年目の総合診療科医です。香川で救急医学を、獨協総診にて総合診療医学を学び、その後地元で総合診療科を立ち上げ、その後大学勤務を経て、訪問診療の必要性を感じ現在に至ります。

現在CFMDフェローシップに関心を持っている方の一助となるように、本日記載いたします。今後、チームづくりを予定される先生、多様なフィールドでの活動を考えられている先生などには是非おすすめ致します。

私がCFMDフェローシップを知ったのは、獨協総診時代でした。当初から香川で総合診療チームを立ち上げたいと思っていた私に、1人の家庭医療指導医が勧めてくれました。その後は異動、立ち上げの色々、コロナなどでバタバタしており、実際にしたのは2021年の香川でのチーム立ち上げ2年目の時期でした。

チームビルディングや経営理論、教育理論などまさに、今自分が必要としているコンテンツが盛りだくさんでした。個人的には良かった点は3点ありました。

1点目は同期・指導医との巡り合いがあった事。当時指導医から定期的なミーティングとメールなどでの臨時の相談をする事で、遠隔でももやもや無く過ごせました。また同期メンバーとも小まめに相談ができる状況でした。そしてなんと言っても、指導医の先生方や同期メンバーには今でも図々しくも今でも時々相談しております(笑)。当時のメンバーとはご縁あり、現在、月に1回の勉強会を行なっております。これは地方の総合診療科医にとっては大きな財産になっております。

2点目は自分の特に興味のあった教育に関して、理論・実践を学べた事です。ここは完全に個人の興味とドンピシャとあった所です。現在も医学生、他職種との勉強会をしますが、活用しております。またこれをきっかけにさらに医学教育に興味を持つことができました。

3点目は家庭との両立に関する多大な支援があったことです。仕事と家庭とフェローシップを並行させる事は大きく不安に感じていました。実際は家族の予定や体調に本当に細かく配慮頂き、ストレスなく過ごすことができました。ミーティングはアットホームで、時々、息子達も参加、次男は抱っこで寝たままで、よく参加もさせて頂いておりました。それでも十分に学びを実感できていました。

以上長文になりましたが、自身の2021年の経緯や感じた事を記載させて頂きました。私自身はその後、大学、クリニックと勤務し、その場所場所で学び活かした実践ができております。

今後参加を悩んでおられる先生方の一助となれば幸いです。